軽症だったが-1-
4月頭のある日曜日、休日出勤でオレ一人しか居ない会社にて、ランチをしていた。カップ麺の豚骨ラーメンとおにぎりというひどく簡素なものだったが、一人でボソボソ食べていると、その初めて購入した豚骨ラーメンは、何も味がしないような気がした。美味しかったらリピートしよう!と思っているのに、美味しくない(そりゃ、そうだ)。豚骨特有の香りがしない!なんだコレは?! パニックになった。よし、おにぎりはどうだ?セイコーマート謹製200円以上もする高級おにぎり「チーズおかか」も無味だった。
オレ、もしかしてコロナにかかってる?
顔からサーッと血の気が引いていく。音までしたようにも思えたが、これは普段からしている耳鳴りだ。熱を測るも36度台後半で、微熱とは呼べるも高熱とは言わないかな、程度。そうだ、コーラみたいなの飲んでみよう!と思い立ち、会社そばの自販機に行くと、伊東園ブランドの自販機だったため、コーラはない。レモンスカッシュが売っていたので1本買って、会社で飲んでみる。レモンの酸味も、糖分も何も分からない、ただシュワシュワした感じが舌にあるが、炭酸水を飲んでる感じとはまた違った、まさに味覚に障害が起きているのが判明するのに十分だった。
とりあえず定時になったらすぐ自宅に帰った。こうした場合のために同居していた高齢の両親とは離れて住みたいと思ってアパートを借りていたので当然アパートだ。しかし、その出勤の前日や前々日は実家から会社に行ったのが、後述するが仇になった。アパートには体温計がなかったが、まずは検査だと思い、買わずに帰宅した。
ググって調べると、隣町にある病院がPCR検査(というかコロナの疑いがあった場合の相談窓口)をやっている。朝9時から電話受付開始、と書いてあった。翌月曜日は仕事を休みにしていたので、この日はアパートで悶々としながら寝た訳である。 続く