ひどい友人

2001.01.20

今日はオレのある友人の話をしようと思う。

そいつは本人が言うには子どもの頃から「神童」と呼ばれ、成績は家庭内においてはトップクラス、スポーツも周りの子どもとはあまりにレベルが違い過ぎて仲間に入れてもらえなかった、という伝説を自分で語る物凄いヤツである。さすがに今はいい大人なので「神童」とは呼ばれないらしいが、一度だけ平成8年の七夕の頃には「新郎」と呼ばれていたようである。オレはいつもそいつの自慢話を黙って聞く唯一無二の親友であるが、この間聞いた話だけはあきれてしまい、空いた口がふさがらなかった。あんまり頭に来るので、ここに紹介しようと思う。

ヤツはどうやらまれに飲酒運転をするらしい。これを聞いただけでも怒りがこみあげてくるというのに、ヤツはさらに続けて「飲酒運転の検問から逃げるにはどうすればいいか、教えてやろうか?」と言うではないか。バカバカしい。オレはそんなことしないから、言わなくていいよと言っているのをさえぎってヤツは経験談を語り始めた。「まず、検問で止められたら、窓を開けながらすぐにこう言う。”一体なんの検問なんですか?”とね。ただし、反抗的に言っちゃダメだね。あくまで紳士的に、”なぜ何も悪いことをしていない私を止めるのかな?”と少しだけ怪訝そうにしながら言うのがポイントだよ。あと、決して早く逃れたいという態度を出さないようにする。警官のやつらは人の目つきとか態度に敏感だからね。あくまで毅然とした態度で話すようにするんだよ。君は検問を受けたことはある?成田に車で向かう時に航空会社とかを聞かれただって?いや、それもそうだけど飲酒とか一斉とか。無いのか。大概あいつらは「免許見せてください」って言うだろ。そりゃ、なんにも悪さしてなくても免許持ってなかったら無免許か不携帯でキップ切れるんだから当然免許出させて、懐中電灯でササッと見るだろ。な。だから、逆にこっちから「免許出しましょうか?」って言ってやるんだよ。親切に。じゃ、ここまでの手順を警察側から見てみるぞ。ハイ、車来た~→ハイハイ止まって~「はい、お急ぎのところすみません~」→窓開いて「何の検問ですか~?」→「すみません飲酒なんですけど~(こいつは顔も赤くないし、大丈夫かな?でも一応)「飲んでませんよね?」→「ええ、飲んでないけど免許出しておきましょうか?」→(いや、こいつは違うな)「いやいやいや、結構です結構です、どうぞ行ってください」

つまり、第一印象でまず「飲んでない」と思わせる。だって飲んでるヤツが進んで話したがるわけないだろ。息に出るんだから。それをあえて自分からしゃべっちゃうんだよ。それで「こいつはいいかな」とひるんだところで「免許を出す仕種」のダメ押しだよ。なるべくたくさん検挙したい警察にとって、そんなことに時間を割いてるヒマも無いだろうし、警察だって市民に嫌われたくはないんだから。「お仕事帰りですか?」とかおべっか使う警官もいたよ(笑)」

ああ、書いてるだけでムカムカしてくる。そんな訳の分からない自慢話を聞くだけ時間の無駄だと思った。飲んで運転することがいけないことだ、という基本的なところをわかっていなくって、卑怯な方法を使ってそれでよしとしている。まったく。それよりもこの間途中まで聞いた「洗剤を友達に売るだけでバンバン儲かる話」をもっと詳しく聞かせて欲しいのに・・・。