やっつうえぶの作り方
2000.04.10
おっす。4月から、住んでる自治会の6・8班の班長になったやっつです。地域のためにがんばる所存です。ま、ここに住み始めて丸4年になるので仕方ないな。第2日曜7時半からの一斉清掃をサボれなくなったぞ(笑)。加えて隔月だが第3土曜8時半からリサイクルゴミの仕分けとかもやらないとだぞ。アンド、除草剤散布を手伝うのも2回ほどあるし・・。う~、大変だ。
さて、今回のテーマは「やっつうえぶの作り方」だ。今までどういったものに影響を受けてこんな文章を書くようになったか、を考えてみようと。小さいころ(八丈島時代)のオレは、割と読書好きであった。スポーツとかが大嫌いだったのは以前に書いた通りだが、代わりに何をしていたかというと、読書や音楽鑑賞だった。中学になって埼玉に住んでいたが、八丈島へ遊びに行って小学校時代の友人宅を訪ねたら、友人のお母さんに「まさき君は家に来ると、ず~~っと正座して本を読んでたのよね~」と言われたぐらいである。逆に言うと娯楽が少ないが故の活字中毒だったのかも知れないけど。それと、町役場の隣の図書館に通ったことも覚えている。一人でもよく行ったし、近所のガキ共で「今日はどこに行く~?」とかいう話題になると「図書館!」と叫んでいた(笑)。大概、その意見は黙殺されるのが常だったが(笑)、ある日、やっぱりオレの「図書館!」が黙殺されて、みんなで海に行ったことがあった。防波堤では、近所に住むオレと同い年のさいとうしゅんすけがお父さんと釣りをしていた。我々のチームのいわゆるガキ大将にあたるたかはしまことは、手ぶらで行ったので、しゅんすけの釣りざおを少し借りて釣りを楽しんだ。オレは魚を見るのも嫌いなので、その時何をしていたかは覚えていない。するとその時、ふっと気を抜いたたかはしまことが、皆の眼前でその釣りざおを海に落としてしまった。沈みゆく釣りざおを救出することは出来ずに茫然と見送る我々と、「このクソガキ何しやがるっ!」とは言わないまでも、十分に言いたげな目つきでたかはしまことを睨むしゅんすけとしゅんすけの父。平謝りしたあとたかはしまことは、オレに向かって「まさきの言う通り図書館にしてればこんなことにはならなかった・・・」と肩を落としていたが、年上のしかもガキ大将に向かって「っていうか、釣りざお落とさなきゃいいんじゃん?」とも言えないオレであった。というエピソードがあるぐらい、小学校から中学校にかけては割と本を読んでいたのだ。その後高校に入ると、ほとんど読まなくなり、それは大学でも続き、今でもあまり読まない(笑)。しかし、この間、筒井康隆の新作を買って半分まで読んだところで「やっぱルーツはここだよな」と思い、今回のテーマにしようと思ったわけである。以下に影響を受けた(と思われる)作家を紹介する。
筒井康隆・・・この作家との出会いは、どの作品だったか覚えていないのだが、いわゆる「七瀬三部作」のどれか、もしくは、「笑うな!」だかの短編集だったかも知れない。恐らく家にあったか、もしくは、親戚の家にあったのを借りてきたかどっちかだ。基本的に飽きっぽい性格ゆえさっさと読んでいける短編小説の類いが好きで、星新一なんかも好きで読んだが、星新一のは筒井康隆のほどは笑えないのだ。最新作の「エンガッツィオ司令塔」にしても、さすが「てんかん」の表現を巡って断筆しただけあって、結構な量の差別表現が出てくるが、ここはこう書かれてないと、イマイチつまらないんだろうな、と思って許してしまう不思議さがある。あと、書いてることが本当にくだらない時があって(笑)、いやもちろんそれが面白いんだけど、以前アップルのCMで「僕のマックは・・」などとアタマの良さそうな演技をしていたのは、別人かと思うぐらいくっだらない。でも、オレの書くやっつうえぶでも、なるべくくだらない事を書くようにしているのは、多分この人の影響だと思う。
清水義範・・・この作家は「国語入試問題必勝法」や「蕎麦ときしめん」などが有名だが、オレは全然違うやつから入った。っていうか、なんのきっかけでこの作家の作品を手に取ったのかがまるで記憶に無いという怖い事態だ(笑)。多分、「私は作中の人物である」か、「似ッ非イ教室」かなんかの作品をBOOK OFFなる中古書籍店で買ったのが最初のような気がする。そして、一時期オレはこの人にはまってしまった。この人は、有名作家の文体を真似て書くパロディ作品で有名で、それは「パスティーシュ」と呼ばれる分野らしいが、そんなことは知らなくても十分に楽しい文章を書く人だ。いろんな作家の文体を覚えていれば、もっと楽しいのかも知れないが。やたらとウソを書きまくる点や、設定がさほどブッ飛んでおらず、すごく身近な視点で描かれる点が気に入っている。もしもやっつうえぶの文章を多少でも気に入ってくれる人なら、清水義範も絶対に面白いと思うはずである。
えのきどいちろう・・・この人は作家ではない。もともとコラムニストという肩書きで、だから、物書きだとは思うけど、作家ではなさそうである。その著作は実は1冊しか所有しておらず、では何でこの人が好きなのかというと、ラジオでのトークが最高なのだ。昔、J-WAVEの土曜夕方に番組を持っていて、それで聴いて爆笑していたのがきっかけである。もちろん名前は知っていたけどね。文化放送でも長年朝の番組をやっていたが、さっき番組表を確認したら、もう無かった・・・。残念至極である。鼻で笑うような笑い方や言い回しとか、メチャメチャ面白いんですけどね。
土屋賢二・・・この人は今オレがもっとも「読まなきゃな」と思っている人だ。読まなきゃな、ということは、買いたいけどまだ買ってないということだ。週刊文春という週刊誌を気が向くと買うのだが、ここで「棚から哲学」という1ページのコラムを寄せている。本業はお茶の水大の哲学の教授だが、さりげなくメチャメチャ笑える文を披露している。例えば「地震に備えて家具固定用具を買って、大事に引出しにしまってある」とか。これだけじゃわかんねーよな。とにかくオレが目指しているひとつの理想ともいえるスタイルなのだ。ちなみに文春だと、不肖宮嶋も好きである。不肖宮嶋は、カメラマンだが本も出していて、今でも時々文春に登場する人だ。文春の編集長を辞めた花田氏が創刊した「マルコポーロ」っつー雑誌は、ナチスの毒ガスがらみの表現がもとで廃刊してしまった。大好きだったのに。話がそれたが、土屋氏のもうひとつの特色として、彼の奥さんが実に笑える形でよく登場する。オレもカミさんを登場させてウケを狙うが、土屋氏のほうが頻度は多い。っつーか、文春ほど部数の出ている本の中で、ああいう書き方をするほどの勇気がオレには無い、と言うべきだな(笑)。
以上、興味があったら読んでみて下さい、ってオレが言うのも変だけど、「ああ、こういうところパクってるよな」と思えて、やっつうえぶの楽しみが増すのではないでしょうか(笑)。ではさようなら。