“王道”に無理からこだわってみる
1999.04.19
オレが好きなショップチャンネルの男の人は「松田健男」と判明。今、オレの中では、みの様に次いで2位の男です。ちなみに3位は、プリングルスのCMで「めちゃマイルドっ」って語る男。もしこれ見てたら連絡ください。特製ステッカー差し上げます。
そんなことはどうでもよくって、今回は、オレが最近ちょっと気になる言葉特集である。3つほどあるので、1つずつ見ていくことにしよう。まず一つめ。
最近、「コーヒーの王道」とか、「一つの王道とも言える○○」とか、「王道」という言葉をよく耳にするが、これはいかがなものか。我が家に有る、インターネット懸賞でガットした(いや、過去の事だからだからゲットした、じゃ変かなと思って)、小学館の大辞泉という辞典によると、「王道」とは、
おう-どう【王道】
(1)儒教で理想とした、有徳の君主が仁義に基づいて国を治める政道。
(2)安易な方法。近道。「学問に━無し」
とある。(1)はちょっと方向が違う様な気がするので、勝手に外させてもらうが、問題は(2)だ。そう、王道ってのは、用例にあるように、「学問には近道なんて存在しない、一朝一夕で出来るもんじゃねーんだ」っていう、かなりマイナスイメージな言葉なんである。で、ここからはオレの完全なる憶測だが、つまり、広告やTVなどで聞かれる「王道」とは、その「王の道」って雰囲気から、「定番」とか「主流」または「本流」とか。そんな感じで、言うなれば「グレートオーソドックスパターン」みたいな風に誤用されてはいないだろうか。いや、次に紹介する「こだわり」の様に、誤用と言われていたものが普通に使われるようになったと、公に認められていればまだいいのだが、今のところこの「王道をプラスのイメージに使う変さ」を指摘した文章をオレは知らない。だから、そのうち辞書にも載ると思うけど、本来は違う言葉なんじゃねーかなー、っていうね。でもオレも絶対に認めないって思ってるわけじゃなくて、そういう広告業界とかTV業界の言葉選びが安直じゃねーのか、って疑問に思うだけなんだけど。超短いキャッチだからこそ真剣に考えろよな、って感じですか。偉そうだなー、今回(笑)。では次。
2つめは「こだわり」です。これはもう、ちょっと前から盛んに言われている誤用例だし、オレもかなりどうでもいいんですが、やっぱりよくよく考えるとちょっと嫌だな。では、我が家でガットした大辞泉から引用しますと、
こだわ-る
(1)ちょっとしたことを必要以上に気にする。気持ちがとらわれる。拘泥する。
(2)つかえたりひっかかったりする
(3)難癖をつける。けちをつける。
どうよ。めっちゃマイルド、違った、めっちゃマイナスイメージ。これもつまりは、マスコミ業界が「こだわりの逸品」とか「いやぁ、マスターこだわってますねぇー」なんて言ってるから、広まっちゃうんじゃないんすか。勝手に悪者にしてるけど(笑)。でも、「マスター、特にスープに拘泥してますね~?」なんて言われたら腹立つだろうなぁ。思わず「するかよっ」って言うよ(笑)ただし、辞典にはこうも書いてある。
(1)は、近年、「一流の材料にこだわって作った料理」のように、妥協しないでとことん追求するような、肯定的な意味でも用いられる。
だそうだ。
そして、最後の3つめ。これは、オレね、ちょっと好きなんですよ(笑)。自分では使わないけれど、人が言ってるのを聞くと、クスッとしてしまうというか。あの、あなたの周りで、時々「むりくり」とか、「むりから」って言う人いない?ええと、強引に漢字をあてるなら「無理繰り」「無理から」になるのかなー。つまり、通常「無理やり(あるいは無理矢理ですね)」って言うところを「むりくり」or「むりから」って言う人が割といるんですよ。いや、本当に。はっきり言って、なんだそりゃ?なんだけどさ(笑)。でも意味は通じちゃうじゃない。で、なんかね、無理矢理っていうよりもソフトな感じがするんだね。そう、言葉のソフトランディング(意味不明)。例えば、「そんなこと無理矢理やるもんじゃない」を言い換えると、「そんなこと無理くりやるもんじゃない」となる。なんとなく想像するとさ、前者だと、こう、いろいろ賄賂工作とか汚い行為とかして何とか自分の利権を確保する感じね。後者だと、ちょこっとウソついて小銭を稼ごうかな、ぐらいのレベルまで落ちるかなと。落ちない?(笑)。なんか「遣り繰り」に似てるからか。しかし、それに比べて「無理から」はどうだい。「無理から」ってアンタ(笑)。とりあえず、この「無理くり」「無理から」に関しては、誤用例が正式な言葉になった例として、辞書に載るところを見届けてから死にたい。やっぱり新明解あたりが先鞭をつけるのだろうか。では、今回はこの辺で。バイトの話は気が向いたら書こうっと。
団吉~、なお美の~、おまけコーナー~~~~~!
「無理やり」を調べている最中、偶然、「ムックリ」を発見。
アイヌの民族楽器。口琴の一種。細長い竹の板の中央に舌状の弁を切り出し、ひもを付けたもの。口にあててひもを引いて弁を振動させ、口腔内に共鳴させて奏する。
とあり、楽器と、実際に吹いてるところの2つの写真入りで紹介されていた。そんだけ。しかし、なぜ一発で「団吉」が変換出来ないのだ。
作者注:よくよく考えたら、車さんは団吉ではなくて「だん吉」でしたか。ファンの方および関係者に御迷惑をおかけしましたことを深くお詫びいたします。